テストを食べるやぎと遠い星の光
「テストを食べるやぎと遠い星の光」
昨日塾で英語の授業中、小学校のとなりに
大量の白やぎを飼っている家があったよね。という話になった。
ごくごく普通の民家の庭に柵があって
そのせまい柵の中でやぎたちが窮屈そうに、メエメエと鳴いていたのだ。
最初見た時、すごくびっくりした。
や、や、やぎや!!白やぎや!!
やぎがこんなところで飼われている!!
こんなどこにでもあるような
普通の家の庭に、まるで犬を飼うように、
めちゃめちゃ自然に飼われているなんて
しかもこんなにたくさん!!
すっごーーーい不気味。
なんてちょっと強烈な驚きだった。
「今もいるのかな?」と私がきくと
「さあ。いないみたい。でも、あのやぎには小学生の時に点数の悪いテストを
よく食わした。いっぱい食わした。
他のやつらも食わしていた。」
と生徒Aくんがあっけらかんと答えたので
へーーやっぱりやぎって本当に紙とか食べるのね。
なんて思った。
すると
「でも食べ過ぎてお腹こわしたみたい」
と誰かが言ったので
「うん。テスト用紙のインクがやぎの胃によくなかったみたいだ。
しかも赤インクだし」
と生徒Aくんはこたえていた。
真相はどうなのかはわからないけれど
やぎの胃の中で
子供たちの算数や国語の赤字のバッテンだらけの
テストが溶けて行く様を想像すると奇妙だった。
それから星の話になって、
140億光年先の星が見える
望遠鏡があるらしくて
でも、その光が地球に届く頃には
その星ははるか彼方でもうすでに消滅してしまっていて存在しないのだ。
という話になって、
川上弘美さんの「神様」に出てくる「星の光は昔の光」のことを思い出した。
今はもうどこにも存在しない星のその光だけを見ているなんて
ちょっと哀しくて浪漫ちっくだなあ。なんて思った。